手作りのハーブチンキ(ティンクチャー)に挑戦したい!思ったとき、気になるのが材料や詳しい作り方ですよね。
私が初めてハーブチンキを作ろうとしたときは、何を用意したらいいんだろう?と疑問に思いました。
ハーブチンキの作り方はとても簡単で、度数の高いアルコールにハーブを浸すだけで作ることができます。
ハーブとアルコールの他には、消毒済みの容器とハーブをこすもの(コーヒーフィルターや茶こしなど)さえあればハーブチンキ作りに挑戦することができますよ。
今回は、ハーブチンキの作り方を詳しくご紹介します!
また、ハーブチンキ作りにおすすめなハーブやアルコールの種類についてもご紹介するのであわせてご覧ください♪
ハーブチンキの作り方
ハーブチンキ(ティンクチャー)を作ってみたいけれど、作り方がわからないよ~
作り方はとても簡単で、アルコールにハーブを浸け込んで2週間ほど置いておくだけでハーブチンキが完成しますよ。
使うハーブの種類に決まりはありませんので、得たい効能や試したい使い道に合わせて選んでみてくださいね。
これから、ハーブチンキの作り方を詳しくご紹介します!
ハーブチンキとは?
ハーブチンキとは度数の高いアルコールにハーブを浸して作られる液体のことで、ハーブティンクチャーとも呼ばれています。
ハーブには水に溶けだしやすい「水溶性成分」と油などに溶け出しやすい「脂溶性成分」がありますが、アルコールにはどちらの成分も溶け出るという特徴があります。
そのため、ハーブチンキを利用するとハーブティーのように水やお湯を使う方法や、浸出油(ハーブオイル)のようにオイルを使う方法では得られない成分まで取り入れることができるんですよ。
使うハーブに決まりはなく、得たい効能や試したい使い道、好きな香りなどで自由に選ぶことができます。
2種類以上のハーブをブレンドして、自分だけのハーブチンキを探してみるのも楽しそうですね。
また、ハーブチンキ作りには度数が高いウォッカなどのアルコールを使うため、長期保存ができるのも大きな特徴です。
1年間は保存ができるので、さまざまな場面で使えそうです!
用意するもの
ハーブチンキ(ティンクチャー)を作るときは、次のものを用意しましょう。
ハーブチンキ作りにおすすめのハーブとアルコールの種類については、作り方の説明のあとで詳しくご紹介します♪
今回は、ドライのカモミールとウォッカを使ったハーブチンキを作りました!
ハーブチンキに使うハーブは、雑貨扱いのものではなく必ず食用のものを選びましょう。
フレッシュとドライのどちらの状態のハーブを使っても構いませんが、ドライハーブのほうが水分が少く、アルコール度数が変化しにくいため作りやすいですよ。
ドライハーブを買うなら、「生活の木」や「enherb」などのハーブティー専門店をおすすめします!ハーブを買える場所についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますよ。
アルコールはウォッカやホワイトリカーなど比較的味や香りのしないものを選ぶようにすると、ハーブ本来の味や香りを感じやすいですよ。
ガラス容器は成分の抽出用のものと、保存用のものの2つを用意してください。
可能なら遮光瓶で、お手元にない場合は透明のガラス容器をアルミホイルで包んで使うのがおすすめですよ。
保存用容器は、ハーブチンキをこす作業を楽にするために口の広いものを選ぶと良いでしょう。
私は、コーヒーフィルターを使ってハーブチンキをこしています!茶こしやガーゼ、お茶パックなどでも代用できるので使いやすいものを選んでくださいね。
ハーブチンキの作り方
ハーブチンキの作り方は、次の通りです。
- ガラス容器を煮沸消毒して乾かす
2つのガラス容器を煮沸消毒しましょう。煮沸消毒を終えたら水分が完全に無くなるまで乾かします。
容器の中に水分が残っているとカビが生える原因となるため、注意しましょう。
煮沸消毒の際は、ガラス容器が耐熱のものであるかどうかをしっかり確認してから使ってくださいね。
急な温度変化に弱いガラス容器もあるので、私は水を張った鍋の中に容器を入れてから火をつけて消毒をしています。徐々にゆっくりと温度が変わるようにしていますよ。
- ガラス容器にハーブを入れる
煮沸消毒したガラス容器の中にハーブを入れましょう。
フレッシュハーブを使う場合は、軽く洗って汚れを落とし、水気を取ってから入れてくださいね。
- ハーブが浸るくらいまでアルコールを注ぐ
ハーブがひたひたに浸るくらいまでアルコールを注ぎましょう。
全体がしっかりと浸らないときは、ガラス棒などで軽く押し込むと良いですよ。
アルコールを注ぎ終えたらガラス容器にフタを閉め、容器の上下を反対にする感じで何回か軽く揺すって混ざり合わせます。
カモミールを浸け込むと、すぐにほんのりと色素が抽出され始めましたよ。日を追うごとに色が濃くなっていく様子を見るのも楽しいです!
- 1日1回揺らし、2週間置いておく
ハーブにアルコールを注いだら、あとは2週間置いておくだけで完成します!
ガラス容器は、直射日光を避けて冷暗所で保管しましょう。
容器の外側にハーブの名前・アルコールの名前・日付を書いたラベルを貼っておくと良いですよ。
今回の場合、「カモミール・ウォッカ・2023年12月24日」と書いておきます!見分けがつけば何でも良いので、付箋などを使っても良いですね。
1日1回はハーブチンキの様子を見て、容器を軽く揺らしましょう。
アルコールを使用しているため、火気やお子様の誤飲がないよう安全な場所に置いておいてくださいね。
- ハーブチンキをこしてもう1つのガラス容器に注ぐ
2週間が経過したらハーブチンキをこしましょう。
もう1つのガラス容器に、コーヒーフィルターや茶こし、ガーゼなどを使ってこしたら完成です。
完成したハーブチンキは冷暗所で1年間保存できるので、いろいろな使い方を試してみてくださいね♪
こし終えて残ったハーブは、捨てないで取っておきましょう。まだまだ出番があります!
私のおすすめは入浴剤として使うことです。ハーブをお茶パックに入れて浴槽に浮かべて、香りを楽しみましょう♪
また、ハーブチンキはアルコールを使用しているため、妊娠中・授乳中の場合は飲用を控えてくださいね。
ハーブチンキはとても簡単な手順で作れますので、ぜひお試しください!
ハーブチンキ作りにおすすめのハーブ
ハーブチンキ(ティンクチャー)を作ろうとしたとき、どんなハーブを使おうかと悩みますよね。
使うハーブに決まりがなくどのようなハーブでも使うことができるので、余計に迷ってしまします。
ハーブにはそれぞれの種類で異なる効能があるため、どんな使い方をしたいかに合わせて選ぶのがおすすめです。
心を落ち着かせたいとき、お肌をキレイに保ちたいとき…など、どんな場面で使いたいかを考えると良いですよ。
これから、ハーブチンキにおすすめなハーブをお悩み別にご紹介します!
心を落ち着かせたい
不安な気持ちいでいっぱいなときや、心がささくれ立っているときにハーブの香りを嗅ぐと、ほっとすることがありますよね。
ハーブには心を落ち着かせる働きを持つ種類のものがいくつかあり、ハーブチンキ作りに使うことができますよ。
心を落ち着かせたいときには、次のハーブを使うのが特におすすめです。
ジャーマンカモミールにはリンゴに似た甘い香りがあり、カモミールハーブチンキをミルクや甘酒などにたらして飲むと自然とリラックスできますよ。
フローラルな香りを持つラベンダーで作ったハーブチンキは、お湯にたらして眠れない夜に飲みたいですね。
甘く上品な香りのリンデンには心を落ち着かせる働きのほかに身体を温める働きもあるので、心も身体も温めたいときにおすすめです。
精油は高価でなかなか手に入らないリンデンですが、ドライのリンデンをハーブチンキにすると気軽に使えそうですね。
お肌をキレイに保ちたい
ハーブチンキの代表的な使い道に、化粧水などの手作りスキンケア用品がありますよね。
お肌をキレイに保ちたいあなたには、次のハーブでスキンケアをすることをおすすめします♪
ヒースには美白成分である「アルブチン」が含まれており、スキンケアに取り入れるとシミができにくい肌に導いてくれますよ。
「若返りの薬」とも呼ばれるローズには、肌をひきしめる働きがありますよ。
ローズハーブチンキを使った化粧水でスキンケアをしながら、華やかな香りに癒されたいです!
エイジングケアにはローズマリーがおすすめです。血行を促し、肌の生まれ変わりを助けてくれますよ。
ハーブチンキでスキンケアをするときに、「アルコールを飛ばして化粧水を作りたい!」と思ったらこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
身体を温めたい
冷房で身体が冷える夏の時期や、寒さが厳しい冬の時期には身体を温めたくなりますよね。
ハーブで身体を温めたいときには、次の種類のハーブチンキを作ってみてはいかがでしょうか?
ジャーマンカモミールとリンデンは「心を落ち着かせたいとき」におすすめなハーブとしてもご紹介しましたね。
風邪のひきはじめに取り入れる人が多いエルダーフラワーは、発汗作用があり身体をポカポカと温めてくれます。
いずれのハーブも、お湯や普段の飲みものに混ぜて飲んだり、入浴剤や手浴・足浴の材料として使ったりすることができますよ。
ハーブの力で、心も身体もポカポカになりそうだね!
料理に使いたい
ハーブの香りがぎゅっと詰まったハーブチンキは、飲むだけでなく料理にも応用することができます。
ハーブチンキを料理に使いたいときは、次のハーブを選んでみましょう。
ローズマリーやタイムは、お肉や魚を焼くときの香草として用いられることが多いですよね。
フレッシュハーブやドライハーブを用いる代わりに、ハーブチンキを料理の仕上げに使うと爽やかな香りの一品が完成しますよ。
ハーブチンキは日持ちするので、ご自宅に常備しておけばいつでも気軽に使えるのが嬉しいポイントですよね。
また、レモングラスハーブチンキを使うとエスニックな雰囲気が漂う料理に仕上げることができます♪
のどのケアをしたい
のどに良いハーブを使って作ったハーブチンキは、水で薄めてうがい薬としても使うことができます。
のどのケアをしたいときには、次のハーブでハーブチンキを作ることをおすすめします!
抗菌効果のあるタイムやセージは、のどに調子が気になるときに取り入れたいハーブです。
ハーブティーを毎回淹れてうがい薬を作るのは大変でも、ハーブチンキがあればお水やぬるま湯に数滴たらすだけで使えるので簡単ですよね。
どちらも爽やかな香りを持つハーブなので、お口のニオイが気になるときにもマウスウォッシュとして使ってみたいです!
免疫力を高めたい
風邪が流行る季節になると、気になるのが免疫力の低下ですよね。
免疫力を高めたいときにおすすめなハーブは、何と言ってもエキナセアです!
免疫をサポートする働きがあるエキナセアは、メディカルハーブの中でも代表的な存在ですよね。
効果を実感するためには、エキナセアハーブチンキをお湯に数滴たらして飲むのを1日数回継続して行うのが良いですよ。
虫除けがしたい
市販の虫除けスプレーを使うのに抵抗があると、ハーブで虫除けできないかな?と思いますよね。
ハーブには虫が嫌いな成分を持つ種類のものがいくつかあり、虫除けスプレーとして活躍しますよ。
ミントやレモングラスは虫が嫌いな香りを持つハーブなので、ハーブチンキを精製水で薄めて作ったスプレーで虫除けをすることができますよ。
シュッとするとハーブの香りが漂うので、香りを楽しみながら虫除けしたい場合にはおすすめですよ♪
ハーブチンキ作りにおすすめのアルコール
ハーブチンキ(ティンクチャー)作りには、どんなアルコールを使っても良いの?
度数の高い35度以上のアルコールを使用するのがおすすめです。特に35~40度のアルコールが使われることが多いです!
ハーブチンキ作りにこだわるなら、アルコールの選び方も重要ですよね。
ハーブには水溶性成分と脂溶性成分があるとご説明しましたが、アルコールの度数によってその2つの成分の抽出のされ方は異なります。
本格的にこだわりたい場合は、取り出したい成分に合わせてアルコール選びをすると良いですね。
40度前後のアルコールだと、成分のバランスが良くて使いやすそうです♪私は、アルコール度数はあまり気にしすぎずに作っていいと思っていますよ。
これから、ハーブチンキ作りにおすすめなアルコールの種類をご紹介します。
ウォッカ
ウォッカは、ハーブチンキ作りに最もよく使われているアルコールです。
ハーブチンキにウォッカが好まれる理由としては、ジンやラムなど他の蒸留酒と比べて無色透明であることや味や香りが薄いことが挙げられますよ。
無色透明だと抽出されたハーブの色素を目で見て確認できるのが良いですね。味や香りが薄いと、ハーブ本来の香りがわかりやすくなりますよ。
ウォッカは飲用アルコールなので、お湯や普段の飲みものにたらして飲むことができるのも嬉しいポイントです。
アルコール選びに悩んだら、まずはウォッカを使ってみることをおすすめします!
私は、アブソルベントというウォッカを使っていますよ。
アブソルベントはほのかに甘みがある程度でクセがないので、私は気に入っています♪
コストパフォーマンスも良くて使いやすいので、迷ったらぜひ参考にしてみてください!
また、脂溶性成分をたっぷり抽出したい場合は、ウォッカの中でも特に度数が高い96度のスピリタスを使うのがおすすめですよ。
ホワイトリカー
味や香りに特徴のないホワイトリカーも、ハーブチンキ作りに使うことができます。
焼酎の中でもクセのない味わいのホワイトリカーは、ハーブチンキ作りに特におすすめですよ。
ホワイトリカーは梅酒や果実酒作りにも使われるアルコールなので、ハーブチンキ作り以外にもアルコールを使いたい!という場合にはホワイトリカーを使うのが良いですよ。
無水エタノール
消毒や掃除にハーブチンキを応用したいときは、無水エタノールを使うのも良いですね。
無水エタノールは精製水で薄めることで消毒用エタノールにすることができるので、ハーブのアルコールスプレーを使いたいときなどにおすすめですよ。
ただし、ウォッカやホワイトリカーとは異なり飲用することはできないので注意しましょう。
また、高濃度アルコールである無水エタノールは、シワなどの肌悩みに効果を発揮する「ウルソール酸」という成分を抽出しやすいと言われています。
ウルソール酸が含まれる代表的なハーブとしては、ローズマリーが挙げられますよ。
ローズマリーを使ってエイジングケアをしたい!と思ったら、無水エタノールハーブチンキでスキンケアをしてみてはいかがでしょう?
無水エタノールを使ったハーブチンキについては、こちらの記事で詳しく解説していますよ。
日本酒やワインはどうなの?
おうちにある日本酒やワインを使ってハーブチンキを作ってみたいけれど、どうかな?
日本酒やワインはアルコール度数が低いのでウォッカと比べるとハーブの成分を抽出しにくいですが、おいしいハーブ酒として楽しむことができますよ。
ハーブの脂溶性成分は、一般的に40度以上のアルコールを使うと抽出できるとされています。
そのため、日本酒やワインのように15度前後のアルコールだと、ハーブの持つ力を十分には取り出せない可能性があります。
しかし、ハーブをアルコールに浸すことでおいしいハーブ酒として楽しむことはできます♪
例えば、白ワインにローズマリーやセージ、タイムなど爽やかな香りのハーブを浸せば料理に使っても飲んでもおいしいハーブ酒を作ることができます!
お好みのハーブとアルコールの組み合わせで、ぜひお試しください!
まとめ
- ハーブチンキの作り方は簡単で、アルコールにハーブを浸け込むだけで作ることができる
- ハーブチンキ作りに使うハーブは、お悩みや使い道に合わせて選ぶのがよい
- ウォッカやホワイトリカー、無水エタノールを使ってハーブチンキ作りをするのがおすすめ
今回は、ハーブチンキの作り方やおすすめのハーブ・アルコールについてご紹介しました。
作り方が簡単で、気軽に試しやすいのがハーブチンキの良いところですよね。
使うハーブは、今抱えているお悩みや試したい使い道に合わせて選んでみてくださいね。
この記事が、あなたのハーブチンキ作りに役立つと嬉しいです!