あなたはハーブチンキを手作りするときに、どんなアルコールを使っていますか?
ウォッカやホワイトリカーなどの飲用アルコールを使うと、内用にも外用にも用いることができるので便利ですよね。
しかし普段お酒を飲まない場合、飲用アルコールの瓶を買うのには少し抵抗があるかもしれません。
そんなときは、掃除や消毒に応用できる「無水エタノール」でハーブチンキを作ってみてはいかがでしょうか?
食べ物や飲み物に混ぜることはできませんが、化粧水や虫除けスプレーなどに用いることができ、いろいろな場面で役に立ちますよ。
特に、飲用アルコールには溶け出さない成分を持つ、ローズマリーを用いてハーブチンキを作るときには無水エタノールを使うのがおすすめです。
今回は、無水エタノールを用いたハーブチンキの作り方や、使い方をご紹介します!
ハーブチンキは無水エタノールで作れる!
ハーブをアルコールに浸して作られる、ハーブチンキ。
ハーブチンキはウォッカなどの飲用アルコールを用いて作るイメージが強いですが、実は無水エタノールを用いても作れるんです。
食べ物や飲み物に混ぜて使うことはできませんが、スキンケアや虫除け、お掃除などに使えますよ。
これから、無水エタノールを用いたハーブチンキの作り方をご紹介します!
ハーブチンキとは?
ハーブチンキとは、度数が高いアルコールにハーブを浸して作られる液体のことで、ハーブが持つ成分が抽出されています。
ウォッカやホワイトリカーなどの飲用アルコールや、無水エタノールなどを用いて作られることが多いですよ。
ハーブには水に溶け出しやすい「水溶性成分」と、油などに溶け出しやすい「脂溶性成分」がありますが、アルコールにはその両方の成分が溶け出るという特徴があります。
そのため、ハーブチンキを利用することでハーブが持つ力を効率よく得ることができるんですよ。
ハーブティーのように水やお湯を使う方法では得ることができなかった成分まで、取り入れることができるんですね♪
また、度数が高いアルコールを使うため長期保存が可能であり、約1年ほど保存できるのも特徴の1つです。
使い道はさまざまで、スキンケア用品や虫除けスプレー、お掃除クリーナーなどが挙げられます。
飲用アルコールで作ったハーブチンキは、ハーブティーやお茶にたらして飲んだり、料理に使ったりすることもできますよ。
無水エタノールとは?
無水エタノールとは、アルコール濃度が99.5%以上である、水分をほとんど含まないエタノールのことです。
蒸発しやすい特徴があるため、水濡れが厳禁な精密機器や、水拭きの跡を残したくない窓ガラスのお掃除などに用いられています。
消毒用エタノールと、無水エタノールはどう違うの?
消毒用エタノールは、エタノール:水=8:2の割合で薄めたものです。
無水エタノールは単体でもお掃除などに使えるのですが、精製水で薄めて消毒用エタノールにすることでさらに用途の幅を広げることができますよ。
ただし無水エタノールを飲用することはできないため、ハーブチンキを作る際は注意が必要です。
あくまでもお掃除やスキンケアなど、食べたり飲んだりする以外の方法で活用するようにしましょう。
なお、無水エタノールは肌に触れると水分を奪い取る性質があるため、直接触れないように気を付けてくださいね。
用意するもの
無水エタノールを用いてハーブチンキを作る際は、次のものを用意しましょう。
ハーブの種類は、どんな効果を得たいかによってお好みで変えてみてくださいね。
私はハーブの虫除けスプレーを作りたかったので、虫除け効果が期待できるローズマリーを使ったハーブチンキを作りました!
ハーブの状態はフレッシュとドライのどちらでも構いませんが、水分を含まないドライハーブのほうが、アルコール度数が変化しにくく作りやすいのでおすすめですよ。
ガラス容器は、成分の抽出に使う瓶と、保存に使う瓶の2つを用意しましょう。
できれば遮光瓶が望ましいのですが、お手元にない場合は、透明のガラス瓶をアルミホイルで覆うことで代用できます。
保存用の容器は口を広いものを選ぶと、ハーブチンキをこす作業が楽になるなぁと感じました♪
こす作業はコーヒーフィルターを使うと簡単にできますが、もしご自宅にない場合は、茶こしや布、ガーゼなどでも代用できますよ。
無水エタノールを用いたハーブチンキの作り方
無水エタノールを用いたハーブチンキの作り方は、次の通りです。
- ガラス容器を煮沸消毒して、完全に乾かす
ハーブが持つ成分の抽出に使うガラス容器を、煮沸消毒しましょう。
煮沸消毒が終わったら、水分が完全に無くなるまで乾かします。
水分が容器の中に残った状態だと、カビが生える原因となることがあるので注意しましょう。
また、保存用の容器も同様の手順で消毒してから使用するようにしてくださいね。
- ガラス容器にハーブを入れる
消毒したガラス容器の中に、ハーブを入れましょう。
フレッシュハーブの場合は、軽く洗って、しっかり乾かしてから入れるようにしてくださいね。
- ハーブが浸るくらいまで無水エタノールを注ぐ
ハーブがひたひたに浸るくらいまで無水エタノールを注ぎ入れましょう。
注ぎ終わったら容器にしっかりとフタを閉め、軽く揺すって混ざり合わせます。
ハーブチンキが入った容器は、直射日光を避けて冷暗所で保管するようにしましょう。
保管の際は、容器の外側にハーブの名前・アルコールの名前・日付を書いたラベルを貼っておくと良いですよ。
- 1日1回揺らし、2週間~1ヶ月置いておく
ハーブチンキの用意ができたら、あとは2週間置いておくだけで完成します!
ローズマリーを用いると、上の画像のような深い緑色のハーブチンキになりますよ。
雑菌が繁殖しないように、1日1回は容器を軽く揺らすと良いです。
ハーブチンキの完成が待ち遠しいですね!
- ハーブチンキをこして、もう1つのガラス容器に注ぐ
2週間~1ヶ月が経過したら、ハーブチンキをこしましょう。
消毒済みのガラス容器を用意して、コーヒーフィルターなどを使ってこしたら完成です。
冷暗所に置いておくと1年間ほど、保存することができますよ。
ハーブチンキは無水エタノールを用いて簡単に作れますので、ぜひお試しください♪
無水エタノールで作るハーブチンキにはローズマリーがおすすめ!
ハーブチンキを無水エタノールで作ってみたいけれど、何のハーブを使ったら良いか迷う…。
無水エタノールのような高濃度アルコールに溶け出す成分を持つハーブである、ローズマリーがおすすめです!
ローズマリーには「ウルソール酸」と呼ばれる、エイジングケアの味方である成分が含まれています。
このウルソール酸は、実はウォッカなどの飲用アルコールには溶け出しにくく、アルコール度数の高い無水エタノールには溶け出すと言われているんです。
シワなどのお肌のお悩みをお持ちで、スキンケアにハーブチンキを利用したいという場合にはローズマリー×無水エタノールのハーブチンキがおすすめですよ♪
また、ローズマリーが持つ緑色の成分である「クロロフィル」が抽出できるのも、無水エタノールの特徴です。
ウォッカで作ったハーブチンキは茶色い仕上がりになりますが、無水エタノールで作ったハーブチンキは綺麗な緑色の仕上がりになりますよ。
無水エタノールにローズマリーを浸して作るハーブチンキには、お肌に嬉しい成分がたっぷり含まれています。
どのハーブでハーブチンキを作ろうかと迷ったら、ぜひローズマリーを選んでみてくださいね。
無水エタノールで作ったハーブチンキの使い方
無水エタノールで作ったハーブチンキは外用に用いることができ、さまざまな使い方ができます。
例えば、お肌のお悩みがある場合はスキンケアに、安全な素材で防虫対策をしたい場合は虫除けスプレーに活用できますよ。
ハーブチンキをどう生活の中で使おうか迷ったら、次の使い方を試してみてくださいね。
無水エタノールで作ったハーブチンキはこのようにさまざまな場面で使えますが、食べたり飲んだりするのは危険ですのでくれぐれも注意してください。
化粧水を作る
シワなどのお肌のお悩みがある場合は、化粧水を作ってみましょう。
ハーブチンキ・精製水・グリセリンを混ぜ合わせるだけで簡単に作ることができるため、ハーブチンキをどう利用するか迷ったときにおすすめです。
ハーブチンキで化粧水を作る際は、15~20倍の精製水で希釈するのが基本です。
分量はお好みで変えてみても良いですね。初めての場合は薄めに作って様子を見ると良いでしょう。
肌に潤いを与える役割があるグリセリンは、ハーブチンキと同じ量を使用するようにしましょう。
ニキビが気になる場合やさっぱりした使用感がお好きな場合は、グリセリンを使わずに化粧水を作っても良いですよ。
化粧水を保存する瓶は、必ず煮沸消毒あるいはアルコール消毒をしてから使用するようにしましょう。
このハーブ化粧水は保存料を使わずに作るため、劣化する前に早めに使い切ることをおすすめします。
今回ご紹介した分量ですと、2週間ほどで使い切れる量の化粧水が出来上がります。
ボディーローションとして全身に使う場合は、分量を多めにして作っても良いですね。
完成した化粧水は、雑菌の繁殖を防ぐため冷蔵庫で保管するようにしましょう。
なお、アルコールに弱い体質の場合はパッチテストを行うなどして、様子を見ながら使用するようにしてくださいね。
お肌が弱く、アルコールを飛ばしてから化粧水を作りたいという場合はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
軟膏を作る
手指や身体のケアをしたい場合には、軟膏を作ってみましょう。
化粧水よりは作るのに手間がかかりますが、全身のありとあらゆる部位の保湿に使うことができるのでとても便利ですよ。
ハーブ軟膏は、ハーブチンキとワセリンを1:1で混ぜ合わせることで完成します。
ワセリンはお肌のヒビや荒れに良く、ハーブの成分が外に出ていかないようにフタをする役目もあるんですよ。
使用するワセリンは、きちんと精製された「白色ワセリン」を選ぶようにしてくださいね。
今回ご紹介するハーブ軟膏はゆるめの仕上がりなので、固めのクリームを作りたい場合は、ワセリンと一緒にミツロウを5g混ぜると良いですよ。
使用する器具は、必ず煮沸消毒あるいはアルコール消毒をするようにしましょう。
湯煎している間は、ガラス棒でよくかき混ぜるようにします。
はじめのうちはアルコールの気泡がしゅわしゅわと出てきますが、気泡が無くなるまで湯煎を続けましょう。
湯煎を終えた直後はビーカーがかなり熱くなりますので注意してくださいね。
ビーカーの中身が熱い状態で保存容器に注ぐと、軟膏の表面がきれいな仕上がりになりますよ。
軟膏が固まるまでの間は、保存容器をトントンと軽く机に叩きつけると空気が抜けてよりきれいな仕上がりになりますのでお試しください♪
完成した軟膏は、化粧水と同様に冷蔵庫で保管して1ヶ月以内に使い切るようにしてくださいね。
私はハンドクリーム代わりにハーブ軟膏を使ってみたいと思います。ハーブの香りに包まれて癒されますね♪
抗菌スプレー・虫除けスプレーを作る
ハーブチンキと精製水を混ぜると、さまざまな場面で利用できる万能スプレーが完成します。
無水エタノールで作ったハーブチンキを精製水で薄めると消毒用エタノールと同じ濃度になるため、ハーブの香りがする抗菌スプレーとして利用できますよ。
また、虫が嫌いな匂いを持つハーブで作ったハーブチンキを使えば、虫除けスプレーとしても利用できますね。
お気に入りな香りのハーブで作ったハーブチンキを使えば、ルームスプレーとして使うこともでき、お部屋が癒し空間に変身します♪
これから、さまざまな用途に使えるハーブスプレーの作り方をご紹介します!
スプレー瓶は、素材によってはアルコールを入れてはいけないものもあるので注意しましょう。
ガラスやポリエチレン製だと安心ですね。
私は無印良品で買える、ポリエチレンの小分けボトル(50ml)を使用しています!
瓶は使う前に、煮沸消毒あるいはアルコール消毒を行ってくださいね。
完成したスプレーは、お部屋の気になる場所や虫が寄ってきそうな場所にシュッと吹きかけて使ってみましょう!
お掃除クリーナーを作る
先ほどご紹介した抗菌スプレーは、お掃除クリーナーとしても利用できます。
エタノール水でお掃除をするのと同じようなイメージですね。
キッチン周りや、お風呂、窓ガラスなど気になる場所にシュッと吹きかけて使うときれいにお掃除できますよ。
抗菌スプレーや虫除けスプレーとして使うよりも量を消費しますので、大きめのスプレーボトルを用意して作るのがおすすめです。
お掃除をするたびにハーブのいい香りに包まれるので、楽しみながら作業ができそうですね。
ハンドソープを作る
無添加ソープを使えば、ハーブが香るハンドソープを作ることもできます。
ハーブチンキと無添加ソープを混ぜるだけで完成するので、日常の中に簡単にハーブの香りを取り入れたいときにおすすめですよ。
使用するソープは、添加物や香りのない、無添加のものを選びましょう。
ハーブチンキの色が見えるようにしたい場合は、透明のディスペンサーを選ぶと良いですよ。
IKEAの透明なソープディスペンサーが、見た目もおしゃれで素敵だなぁと思いました♪
使用する器具は、煮沸消毒あるいはアルコール消毒を行うようにしましょう。
ハーブチンキとソープは、容器に入れて振るだけでは混ざりにくいこともあるので、ビーカーやガラス棒があると混ぜやすくて便利ですよ。
ウイルス対策として手を洗うことが多くなりましたが、ハーブソープがあると手を洗うたびに幸せな気分になりそうですよね。
手を洗うのが待ち遠しくなりそうです!
入浴剤として使う
ハーブチンキをお風呂に垂らすと入浴剤の代わりとなり、ハーバルバスを楽しめます。
お風呂にお湯を張ったら、そこにハーブチンキを30~50ml入れるだけでハーバルバスの完成です!
ハーブチンキには水溶性と脂溶性の成分が両方溶け出ているので、お湯にハーブをそのまま入れる場合よりも、ハーブの持つ力を実感しやすくなりますよ。
また、お風呂にアルコールを入れることに抵抗がある場合は、手浴や足浴にすると良いですよ。
洗面器にお湯を張り、そこにハーブチンキを10mlほど入れるだけで試せます。
湯気とともにハーブの香りが漂ってきて、幸せなひとときを過ごせますよ♪
無水エタノールを用いて作ったハーブチンキは、スキンケアや虫除け、お掃除などさまざまな使い方ができますよ。
まとめ
- ハーブチンキは無水エタノールを用いて簡単に作れる
- 無水エタノールで作るハーブチンキには、ローズマリーがおすすめ
- 無水エタノールで作ったハーブチンキは、スキンケアや虫除け、お掃除などあらゆる場面で使える
今回は、無水エタノールを用いたハーブチンキの作り方や、使い方をご紹介しました。
ハーブチンキを外用にのみ用いたい場合や、飲用アルコールを買うことに抵抗がある場合にはぜひ、無水エタノールを使ってみてください。
ハーブチンキはさまざまな場面で利用できますので、ご興味があればぜひこの記事を参考に作ってみてくださいね♪